どうも、丹内です。しばらく前に人生初の入院治験に挑戦、無事すべての日程を終えてきました。
病院に入院した翌日にまだ正式に世間へ出回っていない薬を飲んで、あとは退院まで採血等の検査を受けまくるというものでした。一応検査をしているとき以外は基本的に自由時間です。
総じて辛いことも多かった治験入院でしたが、「こんなの二度とやりたくない!」とまでは思いませんでした。それどころか、「せっかく初めての治験を経験したんだから2度目3度目とやらないともったいない!」との考えすら持つようになります。
そんな訳でまた2回目の治験に挑戦すべくあちこち応募。結果そのうちのひとつに合格したため、また新たなる病院へ入院してきました。なので今回はまたそれについての体験談を書いていく内容の記事になります。
事前健診を次々申し込みまくる
前回書いた通り、治験に参加するためには最初の健康診断をパスする必要があります。この事前健診は実際に入院する人数よりかなり多くの人が受けるので、「ギリギリ健康」程度では普通にはじかれてしまうんです。
そして治験をひとつ終えたら原則3~4ヶ月程度の休薬期間を設けないといけません。最初の治験は4月ごろに行ったので、つぎ入院できるのは早くても7月になります。
この休薬期間は必ず挟む必要があるせいで、治験のみで生計を立てるというのはかなり厳しくなります。大体の治験は年齢制限もありますしね。
という訳でしばらく治験はお休みし、最初の入院から3ヶ月ほど経ってまたJCVNより事前健診の申し込みを再開します。
その結果8回目の申し込み、3回目の事前健診でようやく2度目の入院治験を勝ち取ることができました。ぼくはキャンセル待ちの治験に申し込むことが多かったので、そもそも事前健診にたどりつけないという事が多々(5回)あったんです。
2度目に参加した治験について
今回受ける事になった治験は「1泊2日×3回、通院なし」というものでした。1回の入院が1泊で終わるという案件は中々にレアです。
ただし協力費はその分少なめで、総額6万円(+事前健診5000円)でした。欲を言えばもう少し高いやつを受けたかったところですが、「休薬期間が過ぎたらさっさと次の治験を終わらせたい」派な自分にとっては十分ありがたいです。
入院から最終日まで
入院1日目(入院日)
いよいよ治験初日がやってきました、初治験のときは夕方集合でしたが今回は朝からです。そして今回入浴が無いのでバスタオル等も持っていく必要がありませんでした、荷物が少なくて助かります。
そしてこの日は入院初日ですが、ここでもう投薬があります。まぁ退院が次の日ですからそりゃそうですよね。絶食状態で病院へ到着、PCR検査を終えてから自分たちが泊まるベッドに案内されました。
そして病院着に着替え、しばらくはベッドの上で自由に過ごします。2時間ほど経ってからいよいよ投薬開始、医師の監視のもと薬を服用します。
そしたら服薬から昼過ぎまで採血や血圧測定などひっきりなしに行われます、ここは最初の治験と同じ感じですね。ただ今回しばらくはベッドに横になることができず、立ち上がることもできません。
その安静期間が過ぎたら遅めの昼食。と同時に検査の回数が減り始めるので、ここから本格的な自由時間が始まります。
なので皆ベッドの上でスマホをいじったり、昼寝をしたりと各自まったり過ごします。ぼくは椅子に座りたかったので今回も談話室メインで過ごしてました。
夕方以降は談話室で作業→病室で検査→談話室→夕食→談話室のような流れで1日が終了、夜の10時半が消灯時間だったでしょうか。その日はゆっくり眠りました、初治験よりかはリラックスできましたがまだまだ緊張は解けません。
入院2日目(1回目の退院日)
1泊だけしかしていませんが、この日はもう退院日です。しかも朝の検査を終えたらそこで終了、朝食をごちそうになって昼前には解散となります。
この日程では「早く入院を終えて家でゆっくりしたい」などと考える間もそんなに無かったです。まだ全体の3分の1しか終えてませんが、入院1回の拘束時間の短さにあっけにとられた記憶があります。
入院3日目(2回目の入院日)
1回目の退院から1週間、2回目の入院がやってきました。と言ってもやることは1回目も2回目も変わりません、食事のメニューすら3食ともほとんど同じものという徹底っぷりです。
ただひとつやっかいな問題だったのが、病院がまともにネットに繋がらなかったことです。繋がりづらいというレベルではなく、ベッドの上も談話室もパソコンでネットは一切不可能でした。
本来なら入院中にネットができないというのはかなり致命的ですが、今回は1セットが1泊のみでしたからね。それくらいの短い間でしたらなんとかガマンできます。
ただこれが数日ぶっ続けの治験だったらと思うと恐ろしいです……しかもその病院はコロナの影響で本や漫画が貸出し禁止でした(絶望)
入院4日目(2回目の退院日)
この日は2日目の退院日です、朝に検査して昼前に解散します。そして前回同様、この病院では退院の直前に朝食が出ました。
しかし朝食後には検査も何もまったくなかったので、完全に向こうの善意で出してくれる食事なんでしょう。ぼくは外食をしないので病院から自宅まではいつも空腹状態、ありがたくいただいて帰りました!
入院5日目(3回目の入院日)
前回の退院から1週間、最後の入院がやってきました。朝に病院に行ってしばらくしてから投薬、あとは夜まで検査と暇つぶしを繰り返して就寝です。
1回の入院は短いと言えど、最初の入院からここまで2週間は経っています。こうなるとさすがに「早く最後の入院を終えて解放されたい!」という気持ちは強くなっていましたね。
入院6日目(3回目の退院&全日程終了日)
3度目の入院から1夜明け、最後の1日がやってきました。朝の検査と診察を終えてから朝食を食べ、シーツや枕カバー等を片付けたらいよいよ解散です!
そして嬉しいことに、ここの病院では協力費は現金手渡しでした!
帰りに渡された封筒に入れられた6万円を確認したら最後の挨拶をして病院から出ます。このときの解放感はやはり何ものにも代えがたいですね、しかも今回は財布が暖かくなった状態で帰れるという!
入院中のあれこれ
病室について
今回の入院は被験者が少人数の治験です。それなのに病室はほぼ2部屋みたいな感じになっていて、そのおかげかぼくの周りには左隣りと向かいの計2人しかいませんでした。
しかもベッド間の距離も結構開いていたので、最初の治験に比べてかなり過ごしやすかったです。ただし日中に仕切りのカーテンを一切使えないのはここもおんなじでした、全部閉められるのは寝る時だけです。
被験者同士の雰囲気について
少人数の治験ということもあって、なおさら今回も被験者同士の雑談などは一切見かけませんでした。病室でも食堂でもひたすら無言、普通の職場なら同僚への挨拶は基本ですが治験はそんなのまったく関係ナシです。
ぼくもてっきり治験中は常連同士であちこち会話が繰り広げられているものだと思っていました。まぁベテラン勢はこういった短期の治験には参加しないんでしょうか。
食事について
今回出された食事はしっかり調理場で作られたものが出てきました、ただ前回の治験ほど感動的なおいしさはなかったです。全体的に薄味寄りで、よくご飯が余りそうになった記憶があります。
それともちろん間食や水以外の飲み物は厳禁です。しかし今回は「絶対に完食しろ!」的なことは言われませんでした、まぁ食欲もありましたし普通に全部食べましたが。
そして今回も入院中に出た食事のメニューを記していきましょう。先ほど述べた通り、3回の入院で朝昼晩どれもほぼ同じメニューです。
昼食
- ミルフィーユカツ(小ぶりで肉感も少なめだがおいしい、間に挟まった大葉がいい感じ)
- 茹でキャベツ(カツの付け合わせ)
- たまねぎと小松菜と錦糸卵の和え物(錦糸卵たっぷり、おいしい)
- 食パン2枚+はちみつ
- アップルジュース
夕食
- カレイの煮つけ(煮野菜もいっぱいだが、味が薄かった)
- 里芋の煮物(上にたっぷりかかった肉味噌がうまい!)
- じゃがいもと小ネギのみそ汁
- ごはん
- 市販のプリン
朝食
- オムレツ小×2個(中にミートソースが詰められているも、あまり味がしない)
- 茹でブロッコリー(オムレツの付け合わせ)
- コールスローサラダ(小口切りのいんげん入り、ツナたっぷりでおいしい)
- ごはん
- 紙パックドリンク(たしか牛乳)
こんな感じのメニューでした。毎食作りたてのごはんが食べられてとてもありがたかったんですが、メインで出たおかずの味がたまに薄かったのだけが残念でした。
過ごしやすさについて
今回の病院は周りに被験者が少なくベッド間の距離も十分、医師や看護師の皆さんもやさしかったです。施設の中もきれいで談話室も問題なく使えますし、過ごしやすさに関しては欠点が見つからないほどでした。
そして前回の治験では「常に他人が周りにいて落ち着かない」というのが大きな悩みのタネでしたが、今回はある程度慣れたおかげかそこまで苦痛には感じませんでした。
やはり「別のところで1回治験を乗り切った」という経験は治験中の精神力を大いに支えてくれるんだと思います。しかも今回は短期の入院でしたからそこも助かりましたね。
入院中に実感した良かったこと・悪かったこと
ここからは治験の真っ最中に感じた良かったこと・悪かったことで、まだ紹介していないやつを補足していこうと思います。と言っても、もう既にここまでかなり書いてきましたね。
良かったこと
丸一日の拘束が無い
何度も言ってますが今回の治験は"1泊2日の入院を3回繰り返す"という日程です。入院しても翌日の昼にはもう退院なので、4泊5日の入院に比べたらもう日帰りみたいなものでした。
しかし治験に慣れている人の場合はもしかしたら「まとまった日数入院してさっさと治験を終わらせたい」という感覚なのかもしれません。ぼくはまだ初心者なので小分けのほうが有難いですね。
事後検査の通院が無い
前回の治験は4泊5日のあと通院が2回ありました。なので「入院終わった!さあお金だ!」とはならず、そこから1週間おきに追加で2回病院へ通う必要があったんです。
しかし今回の治験は3回目の入院を終えた時点で即終了、協力費もすぐに貰って帰れました。
もちろん通院があるとそのぶん協力費も高くはなりますが、いざ治験が始まった時に思うのは「早く全日程を終えて解放されたい!」の一点。すぐ終わるのもそれはそれでありがたいです。
以上が今回の治験で良かったところです。あともうすでに紹介した良かった部分が、
- 協力費が終了後すぐ現金手渡し
- 病室の密度が低く、ベッド同士が十分離れている
- 温かい食事が食べられる、特に退院直前に出る朝食がありがたい
の3つでした。特にベッド同士が遠いというのは助かります、初治験時にはかなり気になった要素でしたので……
悪かったこと
トイレに行けない時間帯があった
前回の治験は検査と検査の間であればいつでもトイレに行き放題でしたが、今回は投薬してしばらくはベッドから立ち上がることを許されませんでした。どうしても行きたくなった場合はスタッフの方に許可を取ってから行く必要があります。
しかし投薬の際には一緒にコップ1杯の水を飲む必要があるので、ぼくみたいにトイレが近いと途中でトイレが気になって仕方なくなります。
そして結局、3回の入院全部で途中トイレに立ちました。医師の方に「こいつトイレが近すぎるから次以降は入院NGだな」と決められていないことを祈ります……
談話室がオープンスペース
前回の治験は談話室がドアつきの閉鎖された部屋でしたが、今回はかなり開けた空間にありました。そのぶんかなり広いとは言え、隣接された廊下を医師やスタッフの方々が通りまくります。
なので単純な居心地で言えば、前回の談話室のほうが上でしたね。ただ今回はベッドの上で検査待ちをする時間のほうが長いくらいだったので、そこも大した問題にはなりませんでした。
PCR検査が激痛
今治験もコロナ対策は万全に行われており、3回の入院の直前に毎回必ず検査があります。長い綿棒のようなものを鼻に挿しこんで検体を取ったのち結果が出るまでしばらく待機、健康体なのを確認してから入院開始です。
そして問題はその検査ですが、とにかく激痛でした。
ぼくは虫歯の治療以外に苦手意識は無いつもりでしたが、この鼻に綿棒を突っ込まれるのはできればカンベンしてほしかったです……別にこの病院が特別痛いわけではないと思いますけど。
ちなみにこの病院は留置針を使わなかったので、採血のときは毎回注射針を抜き刺ししていました。なので多少は痛みもありましたが、PCR検査に比べたら可愛いものです……
以上が今回の治験で悪かったところです。それとすでに紹介したものが、
- どの空間もネットに繋がらない
- 食事の味付けがときどき薄い
- 本や漫画を借りられない
の3つでした。中でもネットに繋がらないのはやはり相当な痛手です、無線でネット環境を用意する知識の無い自分はここでの長期入院は厳しいと感じました。
まとめ
- 入院治験は立て続けに受ける事ができず、3~4ヶ月ほど休薬期間をとる必要がある
- 2度目の治験は1回1回の入院が短くて気が楽、通院も無かった
- パソコンがずっとネットに繋がらない……
- 協力費は全日程終了直後に現金手渡し!
- 少人数の治験だったので周りに人が少なく快適な環境だった
- 食事はおいしかったが、たまに味が薄い
- トイレに行けない時間帯が辛かった
慣れたおかげか人口密度が少なかったおかげか、最初の治験よりも緊張せずに過ごすことができました。治験終了後の精神的疲弊もかなり少なかったです、3度目の治験も臆せず挑戦していきたいと思います。
そして今回新たなる病院に入院したことで、2つの施設間の違いなどいくつか実感できたことも大きな収穫です。こうなったらもう東京と埼玉の治験施設すべてに入院できるよう、これからも体調に気を配り続けていきたいと思います。
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