どうも、丹内です。今回はアニメダイナミックコードと同じ楽しみ方ができる、つまり
- クオリティが低すぎて逆に楽しめる
- 演出や脚本が攻めすぎていて逆に面白い
ようなアニメを紹介したいと思います。今回取り上げるのは前者に相当、「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」です!

※アニメ公式HPより
俺が好きなのは妹だけど妹じゃないについて

※ファンタジア文庫公式HPより
このアニメはライトノベル原作↑で、あらすじを簡単に書くと「ライトノベル大賞を取ったブラコン妹が受賞を秘密にするため、同じラノベ作家志望の兄に大賞の身代わりをお願いする」というものです。通称「いもいも」。
「妹の永見涼花は普段兄に厳しく接するも、実は内心兄の事が大好き」という一時期よく流行ったブラコン妹物アニメのド真ん中を行く作品になっています。しかし一方で……
歴史的作画崩壊
このアニメ最大の見どころはズバリ「作画崩壊」です。ダイナミックコードの場合はWHY字路やダイナミック違法建築など、
どちらかというと作画ミスと書いた方がしっくりくるんですが、いもいもの場合は正しい意味での作画崩壊が目立ちます。
ダイコーは広義でいうアイドルアニメ的立ち位置のおかげか、主要キャラの顔は(10話あたりを除き)最低限のクオリティが保たれていました。しかしいもいもは主人公だろうがヒロインだろうが基本顔面が崩壊気味です。
第1話から作画レベルがフルスロットルで悪く、しかも最後まで改善される事がなかったおかげでダイナミックコード同様伝説になってしまいました。要するにこの作品は「壊滅的な作画を笑い飛ばしつつ楽しく鑑賞する」アニメになっております。
一部とんでもない作画崩壊も
ダイナミックコードの悪い部分をすべて作画が吸い寄せたような作品ですから、一部とてつもない威力のシーンも存在します。
上の場面は第1話で登場。このシーン、ファンの間では「スフィンクス」と呼ばれています。違和感の原因は小さすぎる下半身でしょうか。
ここは「ウルトラマンベリアル」と呼ばれているシーンです、目の端が異様に吊り上がっています。ここは作画崩壊というよりは描いた人の強いクセが出ている感じでしょうか。
以上、簡単にふたつだけ紹介しました。載せられる場面はまだまだいくらでもありますが、本編鑑賞時の楽しみを残しておく為ここで取り上げるものは最低限にしておきます。
この作品を人に勧めづらい理由
ダイナミックコードは何も臆することなく老若男女へ布教できるんですが、このアニメの場合はそうもいきません。まずはブラコン妹アニメの例に漏れず、実の兄と妹とでイチャつくシーンがよく出てきます。
なのでここで「実の兄妹はカップリングとして無いわぁ~」と言う方はアウトになります。ただし兄は妹に対し一歩引いた態度を貫いているので、よっぽどの嫌悪感が無い限り耐えられると思いますけどね。
ところが最大の問題は別にあります、それが特に序盤において「全体的に下ネタがド直球すぎる」ことです。
主人公の妹は下ネタへの耐性も無くまだまともなキャラなんですが、他のヒロインは相当にイカれた一面を第1話から見せつけてくれます。
- ラノベに出す妹キャラの魅力を理解するのに「実の妹ちゃんのHな姿を想像してみればいいんじゃないかな」とアドバイスするバイト先の先輩
- ほぼ初対面の主人公に胸を触らせ「これが女性の胸の感触だ、覚えておくように」と言い出す編集者
- 「アへ顔ダブルピース」といういくらなんでも直球すぎるペンネームの挿絵担当イラストレーター
ぼく自身筋金入りのキモオタな自覚はありますが、それでもこの作品には引いてしまう場面が数多くありました。せめて話の流れで自然に下ネタが出てくればいいんですけど、大半はほぼ唐突にブッこまれるもので……
なので慣れてない人にとって序盤はかなり鬼門です。ただ最初の3話ほどを乗り切れば、その後は多少下ネタもマイルドになる気がしました。
シナリオはそれほど悪くない
このアニメの感想を漁ると「作画の悪さにブチ切れた人が脚本もついでに罵倒していく」的なものをよく見かけます。
確かにぼくも、主要キャラが出揃う4話の前半まではそこまで面白いとも思っていません。
しかしそれ以降は「ハーレム系ドタバタコメディとしては結構よくできている」と考えています。作画が壊滅的な割には露骨な尺稼ぎシーンも少なく、テンポ良く進みますしね。
それに最初の下ネタを除けばギャグシーンも普通に楽しめますし、たまに挟まれるシリアスなシーンも(作画に目をつむれば)普通についていけます。
一応唐突な展開や強引な解決シーンなんてのもそれなりにありますが、どれもギャグアニメとして納得できる範囲に収まっていました。この作品は全10話と話数は多くないので、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
作画以外におけるこの作品最大の魅力
このアニメ、ハーレムものにおいては致命的な「ヒロインたちの魅力を引き出す」というのに大分失敗しています。
全く魅力が無いというわけでもないのですが、それを上回るイカれ要素が足を引っ張っている感じです。ヒロインが多めなのに対し全10話なので仕方ない面もあるんですけどね。
しかしただ一つ例外があり、それがメインヒロインである妹ちゃんです。彼女はそもそも出番がとびっきりに多く、おまけに
- 序盤の下ネタラッシュに比較的無関与
- 本編において一貫する主人公に対して一途で健気なシーン
- 兄への態度はつんけんしているが、一人になると暴走するそのギャップ
- 兄へ依存しまくっている割にはヒステリックな振る舞いや暴力シーンが皆無
といった魅力的な要素のほうがかなり目立っていました。声優さん(CV近藤玲奈)の声もバッチリ合っていますし、演技も素晴らしいです。
さらにこの作品はたまに作画が劇的に良くなるシーンがあるんですが、たいていそのシーンは彼女が描かれます。
おそらく監督自ら描かれているシーンでしょうか、良い意味で浮きまくっているのですぐ分かります。「せめて自分が担当するところだけはとびきり可愛く描こう」という気概が見え隠れしました。
あと妹ちゃんは「作画は変だけどなんか可愛い気がする」シーンも多いですしね。
以上の要素から、このアニメは妹アニメとして見る分にはかなり良作に仕上がっていると思っています。妹キャラに目が無いという方は見ておいて損は無いはずです。
まとめ
- 「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」は歴史的作画崩壊を笑い飛ばしながら見るアニメ
- 唐突な下ネタが多いせいで人に勧めづらい
- 4話の前半まではイマイチだがそれ以降はだいぶ面白くなる
- 主人公の妹「永見涼花」の魅力を上手く引き出せていた
とにもかくにもこの作品は作画崩壊がスゴいです、一度見始めたら文字通り画面から目が離せなくなること請け合いです。特に第9話ラストシーンの畳みかけは笑い死ぬレベルでネタ満載だったので是非最後まで見てみてください。
そして今回は「意外と脚本は悪くない」という事も主張しておきます。エンジンがかかるのは遅いんですけど、内容は尻上がりで面白くなっていくのは間違いありません。
最後に、このいもいもの監督さん(古川博之氏)は未だにTwitterのヘッダー画像をいまだに妹ちゃんに設定しているような義理堅い方です。
「あのいもいもの監督」という肩書きに真っ向から向き合っている、そのように思いました。いつかでっかく名誉挽回してくれることを願っています。
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